ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全

12月下旬頃に出た「日本懐かしプラモデル大全」というムックの感想です。


ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全 01

そのタイトル通り、昭和の懐かしいプラモを当時の世情や流行、発売されたいきさつなど混ぜながら紹介した内容になっています。この本には藤田幸久先生が協力しているという話を事前に聞いていたので、ちょっと注目していました。


まえがき。

ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全 02

友人の言葉「迷ったら買っとけ!」とはアレの事ですね(笑)。
これによると掲載されているキットはメーカー取材によるものでなく、すべて個人所有のコレクションとの事でちょっと驚きました。けどよく考えると当時の模型メーカーの多くは倒産・廃業していますし、そもそも模型業界自体中小零細企業がほとんどなので、残ってる会社も昔の自社製品をキチンと資料保存してるところなんて少ないと思われますから、個人の所蔵品に頼るのは必然なのかもしれません。


もくじです。

ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全 03

キャラクターモデルはロボット、漫画アニメ、特撮、海外TV・映画、スケールモデルは陸海空のミリタリー物、自動車、バイク、そしてどのカテゴリーにも収まらないノンジャンルの合計9つのカテゴリーに分かれており、1つのカテゴリー毎に10~12ページ割いてさまざまなプラモが掲載されています。


掲載アイテムは、どのカテゴリーも大体プラモ創世記の50年代後半から90年代前半までと幅広いですが、比率的には70~80年代の物が多くを占めており、アラフォー、アラフィフ向けの内容かと思います。

ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全 05

例えばこのロボットプラモにしても60年代の鉄人28号やアトムなども載っていますが、それよりは70年代のスーパーロボット系やガンプラ以降のリアル路線ロボの扱いの方がずっと多いです。にしてもグレートマジンガー秘密基地とか懐かしい・・・欲しかったけど高根の花でした。

上のロボットもそうですが、以下はキャラクターモデル関連のページをいくつか抜粋したものです。

ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全 06
  1. 特撮・怪獣系のページ。ウルトラセブンのポインターは人気が高く、当時これだけの製品があったという話。私も文具店で売られていた50円くらいの駄プラポインター持ってました。今でもフジミやバンダイから新作が出てるのだからスゴイ。
  2. 模型メーカーオリジナルのSFメカプラモ。昭和40年代の特撮や宇宙開発によるSFブームの時代、需要はあるのに模型化キャラが限られてるためこうした物が作られたのだとか。
  3. 巨大ヒーローブームの次にやってきた等身大ヒーローのプラモ。当時子供向け雑誌に広告が載っていたし、実際にお店の棚に並んでいるのを羨ましく眺めていたので、これらのほとんどを憶えてます。
  4. 漫画・アニメ系のページから、皆がハマッた宇宙戦艦ヤマトのプラモ。初期の物はゼンマイ動力だったけど、ブームに火がついてからはスケールモデルを意識したディスプレイ専用にシフトしていき、それが後のガンプラのコンセプトの礎に。


次にスケールモデルのミリタリー系ページ。

ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全 07
  1. 戦後初の国産戦車である61式は6社共作となる人気商品だったそうな。また戦車プラモは動力付きが多くて履帯外れなどのトラブルが頻発、そんな中でタミヤ製品の品質の高さが抜きん出ていて頭角を現したとあります。
  2. 60年代から70年代前半に流行った潜水艦プラモのコラム。自動浮沈装置は子供には超魅力的なメカでしたね。そして遊んでるうちに大抵浸水して再び浮上する事はありませんでした。-_-;
  3. 飛行機プラモも初期の物は大抵アクションギミック付き。緑商会の1/28零戦、「単三電池2本でプロペラ回転、その風力で滑走する」って、プラモのあんな小さいプロペラでそんなの可能なの!?
  4. 80年代にあった模型メーカー「BENホビー」に関する話。タミヤそっくりの製品に何なのここ?と当時不思議だったけど、こういう事だったのか!



こちらはカーモデルとノンジャンル関連のページ。カーモデルの所蔵元とチョイスは藤田幸久先生と伺っています。

ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全 08
  1. ブーム当時のスーパーカープラモ。人気だったアオシマ1/20シリーズと名作マルイ1/24カウンタックはちゃんと抑えられています。ちなみにマルイのドアヒンジ先端がフェンダーに潜り込む実車同様の開閉ギミックは、カウンタックだけでなく横開きドアのフェラーリBBにも再現されており、そのため当時の私の中ではタミヤよりマルイの方が上という認識でここの製品をこぞって買っていました。
  2. あのBe-1がバンダイ製だったとは知りませんでした。アリイのシティはモトコンポだけでなくミニコンポやテニスラケット付きで、タミヤも別売でキャンパスフレンズセットなるフィギュアを出していました。大学生が自分の車を持つようになった世情を反映しており、現在の「若者の車離れ」と真逆の時代でした。
  3. ノンジャンル関連からパチもん&使いまわしプラモのページ。バンダイみたいな大手が「未知との遭遇」なんてそのまんまの製品作ってたらアカンやろ(笑)。スターファルコンの「某有名映画に登場する宇宙船と似ているが、それは気のせい。」というキャプションが笑えるw
  4. 80年代の大型ラジカセ&ミニコンポブームの最中に出たプラモ。本物のランナウェイはTVCMがシャネルズで、リバティはレベッカでした。


各カテゴリーの懐かしプラモ紹介以外には、昔の模型誌や広告、関係者インタビューなどが載ってます。

ブックレビュー 日本懐かしプラモデル大全 09
  1. 「なんでもプラモになった」というコラム。それはプラモのみでなく、昔の模型屋や駄菓子屋自体も雑多なキットで溢れていてカオスな空間だったというお話。ホントにその通りでした。
  2. 日本のプラモデルの歴史のコーナー。マルサン・ノーチラス号の時代から最新のタミヤ1/48トムキャットまで6ページで解説しています。
  3. 昔の模型専門誌と広報誌を紹介したページ。タミヤニュースは今でもあるけど、かつては日東、フジミ、ニチモも出してたとは!模型誌は昭和に発行されていたスケモ系の古い雑誌が紹介されています。こちらも知らなかったものばかり。
  4. 業界関係者へのインタビュー。写真は藤田幸久先生で、プラモのモ子ちゃんの誕生秘話が語られています。名前が初期案にならずに良かったー!と読んでいて思いました(笑)。他に童友社の内田社長、大塚康生氏、高荷義之氏、そして海洋堂宮脇センムとは対談記事になってます。


この本、一通り読んで思い出したのが、今から9年前の国産プラモ誕生50周年の年に発売された「日本プラモデル50年史」や「昭和プラモ名鑑」といったクロニクル本。これらの内容とサイズをコンパクトにしてお手軽価格の1500円以下に収めたのが今回の本という感じですね。A5サイズで厚み1.5cm程度のミニマム本ながら、掲載キットのチョイスが私にはストライクな内容でして、眠ってた昔の記憶が呼び起されてノスタルジィに浸れました。

惜しむらくは取材元が個人の貴重なコレクションという事もあってか、掲載されているキットはほとんどが箱絵のみで完成品の写真が少ないという所です。これはバラバラの状態で売られているプラモデルという製品の特性上仕方ない部分もあるんですが、反面当時プラモは箱絵の魅力で買う時代だったので、この形でも懐古本としての体裁は整ってると思います。
「ああこのキット完成するとこんなだったのか」もしくは「こんなだったなあ」という楽しみ方を求めてる人には期待外れかも。「この箱絵のプラモ昔お店で見た!欲しかった~」もしくは「持ってた!懐かしい~」という楽しみ方が出来る人はとても楽しい本かと。



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【theme : 模型・プラモデル
【genre : 趣味・実用

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No title

 ベンホビーのコマ、A-7コルセアⅡのイラストが目に入って、
「あ~ハセガワの1/72のイラストと似てるな~やっぱコルセアはこのアングルだね」
とか思いながら良く見たら、なんですか「クルセイダーⅡ」って(笑)。

因みに私はスマートなイメージのクルセイダーよりは太くて獰猛なシルエットのコルセアⅡの方が好きです。

No title

>Phantomさん
ありゃ本当だ。まあ両機は素人目にはおんなじに見えますわな。
編集者は素人じゃないからアウトだけど(笑)。

なおBENホビーの社長さんはハセガワ上層部の親戚の方だったそうで、
業界筋には挨拶状が配られていたそうです。
当時模型店でバイトされていたTwitterのフォロワーさんから教えていただきました。
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