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アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 レビュー

アドラーズネストから、艦船模型用パーツで「1/700九一式航空魚雷改二」という製品が4月中旬に発売されました。




アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 【ホビーサーチ】


この製品、主にモデルアート系の模型誌でライター活動をされている艦船モデラーのR工廠さんが開発に携わられていまして、ご厚意で発売前に見本品をいただいていたのですが、実際に使ってみたところ今までにないインパクトのある代物だったので紹介します。


アドラーズネストをご存じない方に説明すると、ディテールアップパーツを製造販売してる模型メーカーなのですが、扱いやすさを二の次にしてでも精密さにこだわるスタイルで、極小の挽き物パーツを得意としているのが特徴。
4年前ここの製品で「1/700プロペラ・スピナーセット」見たとき、ここまでやるのかと驚愕しました。

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さて話を戻して魚雷です。

アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 01

発売前の見本品なので簡易包装でした。製品版は一枚目の写真のようなパッケージになっています。
10本入りで定価は税抜き1500円なり。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 02

魚雷本体は真鍮の挽き物で、尾部のヒレと木製框板は一体のエッチング製になっています。直径わずか0.64mm、全長7.3mm。
二重スクリューや魚雷の両舷外側の安定舵をパーツ化する案もあったと聞いてますが、さすがにそこまで細かい部品は無理だったみたいです。





※画像:ホビーサーチ

組み立ては、ヒレを十字にクロスさせて魚雷尾部に接着します。
針の先のような部分に1辺1~2mmしかない金属板を瞬接で組むのですから、綺麗に作るのは簡単ではありません。でもそういう「作り手を選ぶ」ところがここの製品らしさなので問題ないです(笑)。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 05

実際に組んでみましたが、そのリアル感は他社製品を軽く周回遅れにするほど圧倒的です。弾頭部に溝が彫られていて塗り分けやすいのも良い。たくさん作るのが前提の部品でこの精度ですから、各個塗り分けラインが寸分でもずれていたら興ざめですもんね。同じ理由でヒレにも木製框板との境界線が彫られていれば尚良かったです。



では既存の魚雷パーツはどんな感じなのか、比較用に組んでみました。

ベースに使ったのはフジミ製1/700空母に共通で付いている九七式艦攻。
他社からも同スケールの艦載機はいくつか出てますが、現在の1/700艦船模型のフジミのシェア率を考えると、恐らくこれが最も浸透してる製品ではないかと思います。


1/700 グレードアップパーツシリーズNo.97 第一航空戦隊 艦載機セット

画像はその艦載機が別売パーツとして出ている「1/700 第一航空戦隊 艦載機セット」という製品で、他に二航戦、五航戦のセットも存在します。それぞれの差は付属の部隊デカールです。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 03

キット純正のプラスチック製魚雷パーツ。
射出成型の限界でヒレは申しわけ程度で、魚雷はちゃんと吊り下げられていますが懸吊架が太くごついです。しかしこれでも昔に比べればかなり良くなった方で、それ以前のウォーターライン用艦載機では魚雷はおろかプロペラも付いておらず、主脚もつまようじの先のような表現でした。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 04

非純正品のエッチング製魚雷。
だいぶ前からウェブサイト側の「Model Tech Tips」に載せてるファインモールドのエッチングパーツ「AM-14 1/700日本海軍・艦載機用パーツセット・前期」の使用例です。

ヒレと框板部の抜けが再現されている精密さに加え、魚雷が主脚と一体パーツなので両方一緒にディテールアップ出来ます。さらにプロペラも付いていたりと、これ1枚で艦載機すべての箇所をカバーしてるのが長所。ステンレス製なので折り曲げても真鍮より頑丈で、飛行機側の穴開け加工不要で簡単に取り付けられるよう工夫されています。また魚雷搭載位置がちゃんと機体中心より右にオフセットされており、さすがファインモールドよくわかっていらっしゃる!
短所はエッチングですから板状で立体感に乏しいところ。いくら精密でもそれだけで受け付けないという人も少なからずいます。

《サイト内参考リンク》


そして今回の魚雷も飛行機に付けた見本を作ろうと思ったのですが、困った事にこの製品は魚雷のみであって機体に吊り下げる懸吊架が付いていないのです。ここまでの品質を求める層が直付けや純正パーツの流用で満足するとは考えにくく、商品構成としては片手落ちだなあと思います。もちろんメーカーもそこは考えなしではなかったのですが、諸事情で見送ったのだとか。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 06

そんなわけで何か代用品をと探していたところ、R工廠さんがレインボーモデルの「蒸気捨管固定リング」というエッチングが使えますよと知恵を授けてくださいました。魚雷の直径に近い内径0.6mmのリングパーツがあるので、ご自身はそれを加工して使われてるのだそうです。

早速買って来て確認したところ、なるほどリングの下2/3ほど切り取れば懸吊架にかなり近い形になります。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 07

そしてせっかくなので飛行機側にも見合ったディテールアップをと、フライホークモデルの「1/700日本海軍航空機用エッチングIV」を用意しました。これも使いやすさ度外視で精密さのみ追求した製品のひとつでして、魚雷パーツが付いていないのでアドラーズネストの魚雷と組み合わせても無駄パーツが発生しません。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 08

ディテールアップポイントをわかりやすくするため、プラパーツにのみサーフェイサーを吹いた未塗装状態で作ってみました。両製品の相乗効果でこれ以上何を求めるのかというくらい素晴らしい精密感です。

ただその代わり、魚雷を吊り下げる工程は結構難しかったです。
というのはファインモールドのエッチングの解説にも書きましたが、九七式艦攻の魚雷は機体中心よりやや右寄り、そして頭部を少し下げた状態で吊り下げられています。その姿勢に合うよう3基の懸吊架の位置を揃えるのは至難の業で、たとえ0.1mmズレただけでもぴったり合わなくなるのです。

懸吊架はユーザーのアイデアで勝手にやってる事なのでアドラーズネスト側の問題ではありませんが、パーツ化を見送った事情とやらもどうもそこにあるように思えます。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 09

そして彩色見本。魚雷は弾頭、ヒレ、木製框板を塗り分けています。
さらに調子に乗って、0.1mmの銅線を魚雷に巻いて抱締索も再現してみました。また飛行機も風防オープン状態で差別化し、アンテナ線だけでなくR工廠さんを真似て翼と胴体の張線を付ける追加工作を行いました。



腹側の比較写真です。魚雷の差がよりわかりやすいかと。

アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 10
  1. キット純正
  2. ファインモールド AM-14 1/700日本海軍・艦載機用パーツセット・前期
  3. アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 + レインボーモデル 1/700 蒸気捨管固定リング + フライホークモデル 1/700 日本海軍航空機用エッチングIV 塗装なし
  4. アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 + レインボーモデル 1/700 蒸気捨管固定リング + フライホークモデル 1/700 日本海軍航空機用エッチングIV 塗装済み


フジミの1/700九七式艦攻は機体腹側のちょうど中心線上に懸吊架を差し込む穴が3つ開いてますので、アドラーズネスト製品ではその穴を埋めてから右にずらした位置に開け直し、そこに懸吊架を差し込んで魚雷を取り付けています。


そしてここまで来ると、この魚雷の魅力がもっと映える見せ方にしたいとさらなる欲が出てきまして、勢いで飛行甲板の飾り台を作る事にしました。昔作った1/700真珠湾トリオと基本同じものです。

《サイト内参考リンク》

アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 11
  1. プラ板にスクリーントーンを貼り、それをガイドにアートナイフで筋を入れます。
  2. サーフェイサーを吹いてモールドを確認。そのままでは筋が弱いので、0.1mm刃のMr.ラインチゼルでなぞってV型筋から凹型筋に彫り直します。
  3. 甲板色を何色か作り、ランダムに塗装して木板ごとの色の違いを表現します。
  4. 木甲板部の塗装完了。あとは鉄張りの枠や甲板標識を上から塗装します。


ラインチゼルやBMCタガネの登場で、模型の筋彫り作業は劇的に楽になりましたね。以前ならアートナイフで何度も筋をなぞって幅を広げ、するとそのだけ表面がカマボコ状に反ってくるので裏側からも彫って帳尻を合わせ、最後に裏の筋をパテ埋めする処理が必要でした。



そして完成したのがこちら。

アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 12

アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 13

空母の艦橋まで作るのは無理でしたが、後から追加できる余地は残してあります。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 14

魚雷の台車は前記のフライホーク製エッチングに付いてるパーツ。フィギュアは海魂の1/700乗員エッチングを使っています。


アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 15

魚雷搭載済みの艦攻にはパイロットフィギュアをそばに立たせてみました。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 16

こっちは魚雷搭載作業中の姿です。
こういう作業は普通格納庫内で行うものなので、当初はそちらのベースを作るつもりだったのですが、そうなると艦載機の主翼が開いてるのはおかしいので飛行甲板へ変更となりました。



アドラーズネスト 1/700 九一式航空魚雷改二 17

択捉島単冠湾に集結した機動部隊の旗艦、空母赤城の甲板上の航空魚雷とその傍らに立つ水兵の有名な写真を再現してみました。以前から一度やりたいと思っていたシーンでして、このように飛行機と組み合わなくても魚雷単体で見映えするだけのディテールを1/700で持っているのはスゴイ事です。ついにここまで来たか~。


そんなわけで普通にサッとレビューするつもりだったのが沼にハマッてどんどん手を広げてしまい、これにてやっと収拾付きました。それほど私にはこの小さな魚雷は魅力的に写りまして、本物の製品にはやはり心を動かされます。(そして手も動かされる)

最近の模型界のトレンドは「お手軽・簡単」でして私もその流れには賛成ですが、その一方でこういう求道的で突出した製品もあって良いと思います。なのでアドラーズネストには今後もその信念の貫いて驚きと感動、そして職人の本気と狂気を感じる製品作りに励んでいただきたいです(笑)。


本当は小型ホーサーリール軸や長10cm砲砲身も見本をいただいていて一緒にレビューするつもりでしたが、魚雷だけでこんなに長くなってしまったので、またの機会と致します。


《外部リンク》
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【theme : 模型・プラモデル
【genre : 趣味・実用

⇒comment

Secret

うひゃぁ~凄いですね~

本当に最近は凄いですね~。どんどん出戻る閾値が上がっています...(^o^;)

No title

これは精密化の極限の位置付けの製品でして、
間違っても今の艦船模型の標準レベルではありませんので安心して出戻ってください。
艦NEXT大和の登場で敷居は今後むしろ下がる傾向にありますので。^^;

マゾい!!

1/700ですよね・・・ここまでやるのか(°o°)

No title

アキバのラジオ会館で参考展示品を見てうおおおお!と思いましたよ
やっぱ店頭デモ展示はテンション上がるっすね

No title

ラジオ会館に展示してあるのはR工廠さんが作られた公式の見本ですね。
どんな風に飾ってあるのかわかりませんが、
肉眼でこの凄さを伝えるには虫眼鏡かスタンドルーペを
一緒に置いておくべきと思います(笑)。
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