フジミ 1/700 特EASYシリーズ 戦艦長門 レビュー

フジミの新シリーズ「特EASYシリーズ」のレビュー、春雨に続いて遅ればせながら戦艦長門です。

フジミ1/700特EASYシリーズ 戦艦長門 レビュー 01


特EASYシリーズとは、駆逐艦春雨/海風セットのレビュー記事に書いたとおり、専用成型色とシールで塗装不要を謳った新シリーズです。


《部品一覧》

春雨の成型色は舞鶴工廠色でしたが、長門は呉工廠色になっているとの事。

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通常の長門の部品に加えて専用ホイルシールが入っています。



水上機用を含むランナーは濃緑色成型の物が2枚入っていました。

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ただこのランナーには装載艇の幌や探照灯も含まれるため、舞鶴工廠色成型の物も入っています。



色分け用のホイルシール。
木甲板の色はやや暗めで、タンよりダークイエローに近い感じ。

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袋に入ってるシールの後ろにもう一枚細長いシールが入ってました。写真を写すの忘れたので、不鮮明ですがパッケージ側面に印刷されている画像を参考にしてください。

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装載艇や水上機などのシールとなっています。



シールの貼り位置指定図と、組立図に記載されている貼り指示解説図です。

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前半分用甲板シールは二番主砲のあたりで分割したほうが貼りやすいとアドバイスが書かれています。


この長門もホイルシールは部品請求可能です。

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春雨よりだいぶ大きいので価格もそれなりにします。



《作ってみた》

製作にあたり気付いたポイントをいくつか。

長門は甲板上に突起がたくさんあり、シールにはそれに合わせた抜きの切れ目が入っていますが、あまりに細かすぎて完全に切り離せずにつながってる箇所がいくつもありました。そのため貼り込み時にそれらを押し出そうとしてもうまく押し出せず、シール破損の原因になる可能性があります。

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なので面倒ですが、シールの抜き箇所は事前にはがしておいたほうが、貼り合わせ時の位置合わせにもなりますので無難です。とても小さいのでアートナイフの先を使ってめくり、つながってる箇所を切り離します。


そして甲板シールの自分流の切り離しポイントを。
甲板中央から艦首までのシールは、図説どおりどこかで分割したほうが貼りやすくて失敗のリスクを減らせます。

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図説では二番主砲あたりにその指示がありましたが、私は幅が最も狭くて目立ちにくい船体中央あたりのカッター吊り下げ位置で切りました。パッと見目線がカッターにいくので隠れてごまかしやすいかと。


そしてもう一か所は錨鎖導板の内側から艦首までの部分。

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ここはもともと幅が1mm以下の薄さなので、シール個体により誤差で最初から切り離されているかもしれません。



航空甲板は、運搬軌条のモールドの出っ張りにシールが馴染みません。これが許容範囲かどうかは個人差でしょうが、逆光で見ると表面が微妙に波打っているのがわかってしまいます。

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そこで春雨の甲板シールの爆雷用軌条のところに切れ目が入ってるのを思い出し、同じように切れ目を入れてつまようじで馴染ませてみました。シールの端をこすると印刷がはがれやすいのでタッチアップの必要は出てきますが多少はマシかな?

ここはいっその事、軌条やリノリウム張りのモールドを削り落として貼ったほうが、モールドの凹凸はなくなりますが小奇麗に仕上がるのではと思います。


甲板シールは大きくなった分だけ春雨より難易度が高いです。ただホイルシールなのでコシが強く、そのためシワや空気が入りにくいので、位置さえずらさずにつまようじで少しづつ丁寧にならしていくと、案外きれいに貼れます。
ダメなのは位置を上手く合わせられずに何度も貼ったりはがしたりを繰り返す事。コシが強いだけに一旦折り目やシワが付くと、デカールのようにマークソフターを使ってのごまかしが効きません。安全策を取るなら最初からいくつかに分割して貼るのが吉。



そして完成したのがこちら。
さすがビッグセブン!時間と手間は春雨の3~4倍かかりました。

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《製品の感想》
  • シール製木甲板の見映えは予想より良く、ターゲット層であるエントリーユーザーなら概ね満足すると思う。中級者でもこれと同じクオリティで突起とデッキ色を塗り分けて木甲板継ぎ目にスミ入れするのは容易ではない。
  • 小さな部分だが菊花紋章シールの質感が高い。素材が功を奏した模様。
  • リノリウムのシールは航空甲板だけでなく艦橋各層の床用も欲しかったところ。
  • このシールは平面との相性は良いが曲面とは悪い。中でも主砲砲身の防水キャンバス(四番主砲のは失敗して塗装)、装載艇の幌は実用レベルではない。時間が経つと糊がシールのコシに負けてはがれてくるので塗装したほうが良い。
  • その次に煙突のファンネルキャップ、水上機胴体の黄色い帯がやはり浮いてきやすい。ここも塗装を勧める。
  • カッターのシールはオールが印刷されている物もあるので、無理に凹凸に合わせるより平貼りにしたほうが見た目が良い。
  • 艦橋窓のシールは春雨と同じクロームメッキ表現。前部艦橋の見張り指揮所と後部艦橋の分が不足している。
  • 探照灯シールは鏡面より大きい。部品は表面が球面になっているので平面に削って貼ったほうがきれいに仕上がる。
  • 長門のキットは発売からまだ5年程度だが船体にソリがみられるので、気になる人は修正作業が要る。



ほとんどシールの感想になってしまいましたが、模型そのものは普通の長門と同じなので詳細はそちらのレビューをご覧ください。

作ってみて思ったのですがこの長門、前記どおりシール貼りの難易度は春雨より上がっており簡単とは言えませんが、それでも塗装するよりかはずっと手間も時間もかからずこのレベルに仕上がるので、従来の方法より遥かに「EASY」です。

ただ曲面パーツへの馴染みは閉口する悪さで、フジミもそれはチェック段階でわかってるはず。これらの部品も色を付けなければ製品としての見映えが保てないと判断するなら、以後の製品ではそこを紙や軟質素材のシールに置き換えるといった改善策をとれないものかなと思います。


そしてこの製品のもうひとつの特徴である海軍工廠ごとの成型色の違いですが、検証のために長門と春雨を並べてみました。長門が呉海軍工廠色で春雨が舞鶴海軍工廠色です。

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うーん、正直違いがわかりません。春雨のほうがわずかに明るいようなそうでもないような・・・
ただクレオスから発売されている海軍工廠カラーセットのサンプルも、呉と舞鶴はほとんど変わらないのでこれはこれで正しいのかも。



艦隊これくしょん 旧日本海軍工廠標準色 カラーセット 【ホビーサーチ】


そんなわけでこの件は、色の違いの分かりやすい佐世保生まれのフネが出るまで棚上げですね。


《総評》

最近は先鋭化したスケールモデルに新しい世代のユーザーを取り込むためメーカー側も模索しているようで、ハセガワなんかは1/450大和、あたごで既存のものよりは簡単に組み立てられる設計の製品をリリースしています。

そして今回のフジミからのアプローチは塗装を省くというもので、悪く言えば既存のキットにシールを付けただけの小手先の商品ですが、コンセプト自体はユーザーのニーズをうまく掴んでると思いますし、その第一弾としてこの長門は春雨同様その要求を満たした少なくとも及第点のレベルにあると思います。
とはいってもいくつか改善して欲しい点も見受けられますので、現在発表されている残りの赤城、翔鶴で終わらせず息の長いシリーズにするためにも、フジミにはこれで品質的に完成体と思わずさらなる進化に期待します。


特EASYシリーズには、ガンプラの成型色を生かした簡単フィニッシュ術みたいな事が出来ないかと考えており、もうちょっとだけ突っ込んでみるつもりです。

効果的であるようならまたアップします。



1/700 特EASYシリーズNo.1 日本海軍戦艦 長門 【Amazon】
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【theme : 模型・プラモデル
【genre : 趣味・実用

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Secret

No title

製作お疲れさまです。私もこのシリーズには大いに期待しております。
もっと枯れた木甲板の色で、しかもマダラ塗り分けなんてやられたら、木製甲板シールなんかよりも凄いアピール力になるのではないでしょうか。
艦橋やファンネルはマッキーでもぬれますし、砲身のキャンバスカバーやリノを塗ることも何てことないですが、甲板は腕や経験や根気や感性が一番出るのではないかと。甲板さえなんとかなれば後は塗れるって思う素人がここに居ますw

No title

そもそも、塗装ってそんなに敷居の高い行為かな~と、
以前HJ誌あたりで「カンタンフィニッシュ」が提唱された頃を思い出したりしています。そこまでやって塗装を回避したいもんなんかな~・・・。

 ネットの普及でいきなり高品質な完成品に触れる事が多くなったりとか状況は色々とあるでしょうけど、もうちょっと皆さん両手両足の届く範囲でと言うか、ステップアップを楽しんだ方がいいのでは・・・ってコレ問題発言ですか?(汗

No title

Phantomさん、「もうちょっと皆さん両手両足の届く範囲でと言うか、ステップアップを楽しんだ方がいいのでは・・・」は全然問題発言ではないですが、「方がいい」かどうかはほら、プラモの楽しみ方に正解はないでしょw

No title

塗装は模型製作で最も楽しい作業の一つなんですが
同時にかつて我々の世代が子供の頃模型から卒業する理由に多かったハードルであり、
今回特EASYシリーズを扱ったブログ記事のリツイート数が軒並み多いところからも
それだけ多くの人にとって関心事なのが実態のようです。

塗装も含めて模型じゃないのという気持ちは内心あるんですが、
仮に自分が今から新しい趣味を始めるとして、
あれもこれも揃えないといけないなると「うわ、めんどくせえ!」となるかもしれません。
その垣根をとっぱらって一見さんにとりあえず試してもらう手段としては
無塗装や簡単フィニッシュの方向性はアリだなーと思ってます。

そしてゆくゆくは超絶モデラーに・・・
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