4月1日のブログで書いた1/500姫路城の補修作業です。
各天守や櫓の屋根に付いてる鯱瓦はほとんど自作なのですが、半分以上が破損していたので作り直します。

0.3mmのプラ板を1.5mmと1.0mmのポンチで三日月型にくり貫き、カットした先端を反対側の端に取り付けます。

差し込用ダボを0.2mm真鍮線で作り、表面に瞬接を盛ったところに硬化スプレーを噴射して立体的な厚みを作り、後は溶きパテで表面のアラを埋めて完成。

大天守用の大鯱瓦はキット付属のパーツに少し手を加えて尖らせた物で、無事だった物をおゆまるで型取りしてポリパテ複製しました。

バリを取り除き目立てヤスリで整形。肉眼ではほとんどわかりませんが、デジカメで大写しにすると極小パーツの複製はどうしても個体差でるのがわかります・・・うーん('A`)
次に鳥衾(とりぶすま)と呼ばれる鬼瓦から長く突き出した円筒状の瓦の補修。

5年半前の製作中の写真です。1/500模型では鳥衾は小さすぎて省略されているので、こんな風に0.3mm真鍮線を差して再現していました。
この鳥衾が大天守に至っては8割以上欠損していたので作り直しましたが、この姫路城のキットは屋根の角度が本物と比べて寝ていて、傘の開きが足りないような感じなので、今回は真鍮線の差し込み角度や長さを変えて反り返りを大きくし、より開いて見えるよう改良してみました。

真鍮線の差し込み部をパテで表面処理し、断面をダイヤモンドヤスリで削り込んで成型します。

反りを誇張したので鳥衾先端は竹槍のように尖りました。めっちゃ危ない!

真鍮線部分にメタルプライマーを塗布、そして表面処理した部分に溶きパテを塗って上から瓦色で塗装し、さらにハイライト色をドライブラシ。各部に作り直した鯱瓦を取り付け、補修痕を目立たなくするために屋根全体につや消しコートを施して質感を統一します。

あとネームプレートの金色が経年劣化で曇っていたので、レストアとして塗り直すことに。

「姫」の文字が塗り直した部分。メタリック塗装はどうしても普通の色より退色が早いですね。

塗り直して再び取り付け。完成時の発色が戻りました。
こうして補修の完了した姫路城を、せっかくなので屋外で自然光撮影してみました。

城模型はやはり自然光が映えますねえ♪この模型が載ったムック本の表紙も自然光撮影だったと聞いています。
この自然光撮影、こんな風にして撮影しました。


家の近所ではローアングルから煽り気味で撮ると電線が写り込むため、ホームセンターの広い駐車場へ行ってクルマの屋根に乗せて撮影。まわりの視線が痛いので撮るだけ撮ったらさっさと撤収という流れ。いやこれはハードル高かった!(苦笑)
さらに屋内で各部クローズアップ画像を撮影中、照明が三脚ごと模型に倒れて再び破損し再補修というトラブルにも見舞われた事もあり随分時間がかかりましたが、ようやく編集作業も終わってウェブサイトのModel Galleryのページに公開しました。
ぜひご覧ください。
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- 2016/05/03(火) 12:35:35|
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今から5年前に「続 築城指南書」という城模型のムック本が大日本絵画から出てまして、当時1/500姫路城の作例を担当させていただきました。

続 築城指南書―城プラモを極める 【Amazon】
表紙にも使ってもらったやつ。
童友社のロングセラーキット1/500スタンダード姫路城を元にした改造模型でして、この作品はその後童友社さんにお貸しして各イベントで展示されたり全日本模型ホビーショーのポスターに使われたり、さらには去年発売された1/500プレミアム姫路城の開発時の参考にされたと聞いています。
関連記事: 自分の作品が今年の全日本模型ホビーショーの広告に使われていた! 【2011-09-26 のブログ】ただそれ以降はどこでどうなってるのか知らなかったのでその事を先日訊ねたところ、一通りのお役目を勤め上げた後は編集社に保管されていたそうで、返却をお願いしてこのたび5年半ぶりに手元に戻ってまいりました(本の発売からは5年だけど、納品はその半年前だったので)。

久しぶりのご対面~♪

一部破損してしまっていると聞いていたので確認してみたら、大天守と小天守、一部の櫓と土塀、植樹が外れていました。部品の合いのかなりひどいキットだったので、輸送を見越してしっかり接着したつもりでしたが、それでもまだ足りなかったのかもしれません。

また天守が外れた事により、屋根の装飾品であるしゃちほこと鬼瓦から突き出た鳥衾と呼ばれる瓦はかなりの個所が欠落もしくは破損していました。特に強度の弱いしゃちほこはほぼ全滅・・・ただいずれも補修のしやすい箇所なのが不幸中の幸いでした。

天守が取れて城跡みたいになったベース。

そして最も危惧していたのはベース各部に配置させたフィギュアでして、いずれも欠落・破損なく無事でした。
これプラストラクト社から出てるレジン製品なんですが、超精密な代わりに12体入りで約1300円もするし塗装も一苦労なので、もしなくなっていたら大いに凹むところだった。
この姫路城、本の発売から何年も経った事もあるのでウェブサイトへ載せても良いかお伺いを立てたところ、快諾していただけましたので、各部補修後にModel Galleryのページへ加えようと思います。

ただ今交換用のしゃちほこを量産中。
少々お待ちを。
《関連ページ》
ツールレビュー: 続 築城指南書―城プラモを極める
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- 2016/04/01(金) 01:35:46|
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大河ドラマ「軍師官兵衛」で今脚光を浴びている黒田官兵衛の兜のキットが、完全新金型で今月下旬に発売になるそうです。

童友社 1/4 名将兜シリーズ 黒田官兵衛 【4月発売・でじたみん】 童友社の名将兜シリーズは、色ごとに成形されている上にメッキパーツも付いているので特に塗装の必要もありませんし、見映えが良いように本物のひもを使っていたりディスプレイ用の布も付いていまして、普段プラモに触った事ない層にも受け入れられると思えます。
他のアイテムでは、軍師官兵衛バージョンの姫路城デラックス版とスタンダード版をすでに出していまして、これらは既存のキットに番組のロゴの入ったクリアファイルを付けて箱替えしたものです。


1/380 デラックス版 黒田官兵衛 姫路城 限定オリジナルグッズ付 【Amazon】
1/500 スタンダード版 黒田官兵衛 姫路城 (限定オリジナルグッズ付) 【Amazon】
ただ童友社からは、年内に完全新金型のプレミアム姫路城なる新製品を発売すると昨年秋のホビーショーでアナウンスがありましたので、値段は跳ね上がるとは思いますが、より精巧で組み立てやすい物を望むならそっちを待った方がいいかもです。
しかし黒田官兵衛と聞くと、世代的にどうしてもV6の岡田くんより海援隊の歌を連想してしまいますわ(笑)。
くろだーかんべーえー にーがーわーらいー♪
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- 2014/04/03(木) 19:30:01|
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昨秋の全日本模型ホビーショーで光造形が展示されていた童友社の1/350広島城ですが、4月発売と決まり完成見本品の写真も発表されました。
ラインナップは現在の姿のスタンダード版と、東小天守と南小天守の付いた築城当時の姿デラックス版の2種類。
1/350 名城プラモデルシリーズ スタンダード 広島城 【4月発売・Amazon】
1/350 名城プラモデルシリーズ デラックス 広島城 【4月発売・Amazon】
私は前に「築城指南書」、「続・築城指南書」という城プラモ本にライターとして参加させていただいて以来、城郭模型にも興味が出てきまして、最近ではピーエムオフィスエーが松本城とか新作を意欲的にリリースしているのに注目していましたが、老舗の童友社からも完全新金型製品が久々に出てくるのは嬉しいです。 というのは模型の中でもとりわけ地味な存在の城プラモはほとんどが古い製品ばっかで、他ジャンルに比べて品質が一昔も二昔も遅れてるのが現状なのです。
けど実際に作ってみると、城プラモは他ジャンルとは違う技法を用いるので実に新鮮です。
当初はAFVのジオラマ工作の延長上にあるものと思っていましたがスケールが全然違うので応用できる技法は案外少なく、むしろ鉄道模型のレイアウト製作が最も近いです。なのでキットに手を加えるにしてもそっちのマテリアルやテクを流用する事が多くなります。
定番の技法がまだ少なくて開発途上なところにもってきてエッチングとかのディテールアップパーツもありませんので創意工夫の余地がたくさんあり、モデラーによっての表現幅が広くて見てるだけでも楽しいです。興味を持たれた方はぜひ一度作ってみることをお勧めします。
《関連ページ》
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- 2013/03/09(土) 01:14:31|
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今回はちょっと宣伝です。
衛星放送のヒストリーチャンネルで、「戦いの城」という番組が14日21:00から放送予定でして、そこに私が一昨年「続・築城指南書」という模型本で作例を担当した童友社1/500姫路城が映るかもしれないようです。
ヒストリーチャンネルHP・「戦いの城」紹介ページ http://www.historychannel.co.jp/detail.php?p_id=00351 1月14日以降も再放送予定。放送スケジュールの詳細は上記公式サイトに記載されています。
続 築城指南書―城プラモを極める 【Amazon】
この表紙に使われている模型が、私が担当した1/500姫路城です。
※参考サイト内ページ: 模型の花道 > ツールレビュー > 続・築城指南書 事のいきさつを説明すると、この本の著者である川崎久美子さんに、ヒストリーチャンネルから城特番のゲストコメンテーターの一人として出演依頼があり、その肩書きが「城モデラー」だったので、私の姫路城などの模型をスタジオに持ち込んで収録を行ったという事でした。
川崎さんは日本城郭に関する有識者ですが、本業は編集者で特にモデラーというわけではありません。ですが築城指南書(1)にご自身の作例を載せていたり、それが過去にタモリ倶楽部で放送された事もありまして
(2009-12-25のブログ参照)全く違うというわけでもなく、番組制作側の意向もあって城モデラーという事にされてしまったそうです。(笑)
番組内容は、姫路城、大坂城、熊本城でどれが一番強いかトーク&決定戦という趣向だそうで、模型に関しては撮影はあったものの、どのように番組内で使われているのかはOAの映像を見ていないのでよくわからないとの事。なのでバッサリカットされて映らないかもしれません
(「映るかも?」というのはそういう事)。
そんなわけでご興味があり視聴可能な方はどうぞご覧になられてみて下さい。
私もぜひ観てみたいのですが、ウチは残念ながら有料チャンネルに加入してないので録画を後日まわしていただくようお願いしています。
なお収録はヒストリーチャンネルとスカパーの2本撮りだったそうで、もう1本のスカパーのほうは女性タレント?が小田原城を見に行くという内容だそうな。 川崎さんはこちらでは「築城指南書(1)」で私が作例担当し、「続~」で藤田幸久先生にカットモデル改造していただいたクレオス1/144熊本城を持って出演し、1月1日にすでに放送済みだそうです。
多分この番組。↓
ヒストリーチャンネルpresents 日本のお城の歩き方 http://www.skyperfectv.co.jp/news/201201.html これも1月29日に再放送があるようなのでご興味のある方はどうぞ。
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- 2012/01/12(木) 18:03:34|
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タイトルで今回のブログの内容がいきなりネタバレなんですけど、来月開催される第51回全日本模型ホビーショーの広告ですが・・・
Copyright (C) 日本プラモデル工業協同組合 http://business1.plala.or.jp/plamodel/ ここに載ってる姫路城、去年末に発売された模型本「続 築城指南書」で私が作例を担当した童友社1/500姫路城なんです。
つい数日前に真相を聞かされてビックリ!他のF-15やGT-Rとかが絵なんでこの城もてっきり絵だと思っていました。
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《サイト内参考リンク》 これがその姫路城の作例。
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この姫路城は本の撮影終了後、イベント展示用として去年から童友社さんにお貸ししてまして
(実は去年のホビーショーにも展示されていました)、7月頃に模型本の編集社の方から「童友社さんがホビーショーのポスターに使いたいと言ってます」との連絡が来ていました。自分はそれをてっきり自社ブース用のポスター程度に思い込み軽い気持ちで承諾したのですが、どうやらホビーショーそのものの話だったようです。
この姫路城、決められた締め切り内に徹底工作というプレッシャーで相当な難産だったのですが、本の掲載以外にこうしてホビーショーの広告にも使っていただけるとは名誉な事です。
良い記念になりました♪
・ ホビーショー2011 秋 アイテム一覧 【でじたみん】
テーマ:模型・プラモデル - ジャンル:趣味・実用
- 2011/09/26(月) 21:35:36|
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